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不動産を高く売るなら広告宣伝力が重要?→それウソです。

回は「不動産は広告で売るな」について言及していきます。

不動産を高く早く売るなら、広告宣伝してもらった方が良いのですよね?

いいえ、違います。不動産広告の目的は、あなたの不動産を高く売ることでも、早く売ることでもありません。

ではなぜ、大量に広告宣伝をしても不動産は高く売れないのか?いや、少しでも高く不動産を売りたいのなら…

実は、広告宣伝で不動産を売らない方がいいのです。

この記事で知れること
  • なぜ大量に広告宣伝をおこなっても売れないのか?
  • 売れる広告5つの条件
  • 不動産会社が口にしたくない不動産広告の真の目的
  • アナタの不動産を売る気がない広告の特徴
  • 広告の出し方でアナタの不動産を売る気があるのかがわかる
  • 不動産広告で優良な買い手は現れない理由
  • 不動産会社がやりたがらない、実は不動産広告よりも確実な売却術

今回は、ボリュームを割き「不動産の広告の不都合な真実」について、公認不動産コンサルティングマスターであり、マーケティング業界で10年近く広告について研究してきた筆者が”有料級の内容”を解説しています。

不動産を売却される方にとっては、まず他では耳にすることがない”かなり重要な内容”をお伝えしていますので、時間を確保されてじっくりと読んでみることを強くおすすめします

目次

なぜ広告でアナタの不動産を売らないほうがいいのか?

不動産は広告で売るな

告で広く宣伝活動をおこなえば不動産は売れる。そう思っている方が少なくありません。不動産営業マンですらそう思い込んでいます。

もし、不動産営業マンが「広告宣伝をすれば売れます」なんて本気で言っていたら…その人に売却を依頼するのは考え直したほうがいいでしょう。

というのも「現代の広告は売ることが目的ではない」という現実があるからです。

それすら知らない不動産営業マンは広告のプロではありません。(「広告を出せば売れる」という誤った一般の方の先入観を、逆に利用したセールストークで気を引いているのなら別ですが…)。

ーケティングコンサルタントとして活躍されている今井孝氏が書いた本の中で、広告の本質をズバリ言及したフレーズがあります。

広告の機能はたくさんの人に見てもらうことであり、広告は”売れないものを売れるようにするものではない”。たくさんの広告をおこなって宣伝したからと言って売れないものは売れない

そうです。広告の役割りは「売る」ことではなく「たくさんの人に存在を知ってもらうこと」他なりません。

そして「知ってもらうこと」と「売れること」は必ずしも「比例しない」のです。たくさんの人に知ってもらったからと言って売れるとは限らないのです。

たとえば「二層式の洗濯機。今なら70,000円でご提供!」というチラシ広告を50万枚撒いて宣伝したとします。果たして売れるでしょうか?

ドラム式の洗濯機ならわかりますが、いまどき二層式の洗濯機なんて一般家庭ならほぼほぼ需要はないでしょう。つまり広告は「宣伝量」と「売れる」は比例せず「売れないものを売れるようにするものではない」のです。

言い方を変えれば「売れるものをもっと売るために」広告が存在しているとも言えます。では「売れるもの」とは一体どんなものなのでしょうか?

現代の広告の機能

高度経済成長期など、モノが不足している時代は、たしかに広告を出せば売れました。しかし今はモノが普及し有り余っています。そして、多様化する消費者に連れて雑多な広告が増えたことで「広告で売る」という機能は失われたのです。

現代の広告は「売る」から「注目を引くだけ」の機能へと変化しています。不動産の広告はとりわけ、その広告の変化に順応できていないのです。

売れる広告の5つの条件

売れる不動産広告5つの条件

れる広告にはいくつかの共通点があります。特に重要な共通点が5つありますので、ご紹介します。

1つ目は「需要があるか」です。「エスキモーに氷は売れない」という有名な言葉がありますが、そもそも需要がなければ、どれだけ広告を出したところで意味はありません

需要は「マクロ需要」と「ミクロ需要」があります。マクロ需要とは市場全体の需要。ミクロ需要とは個々の商品の需要です。

たとえ不動産市場全体の需要度が上がっていても、アナタの不動産の需要があるとは限りません。その逆も然りです。

つまりミクロ需要が大切。需要がないのなら、広告を広く展開する前に、需要を上げる方法を考えるべきです。

つ目は「新しい情報」であること。人は目新しいものが大好きです。これは人間の条件反射のようなものです。

そして多くの企業が「新情報・新登場・リニューアル」として製品を発売するのは、人が新しい情報に食い付き、買ってくれることをよく知っているからです。

マーケティング用語で言うところのイノベーターやアーリーアダプターは「新しい」というだけで購入してくれる確率が上がります。

一方で、常に目に触れ、古びた情報には人は見向きもしません。飽きられお腹いっぱいになって風化してしまうのです。自動車もiPhoneも定期的に新商品をリリースするのは、消費者の目が慣れてしまい、販売が低迷するからです。

これは不動産も同じです。ずっと広告に出ている物件は飽きられて風化します。「売れない理由は何かあるのだろう」そんな憶測をされてしまい、余計に売れなくなります。常に目にする特定の会社の求人を見て「あぁ、人の入れ替わりの激しい会社なんだな」と思われるのと同じです。

一方で「新登場」と記載された物件広告は注目を得ます。とは言え、毎回「新登場」とは謳えませんので、広告を出すならタイミングが重要です。

つ目は「掘り出し物」であること。人は常に「掘り出し物」を探しながら広告を見ています

人が新聞の折込チラシを1枚1枚見てしまうのも「掘り出し物はないかな」とワクワクしながら見ているわけです。

不動産でいうなら、たとえば多くの人が探している駅前の土地や、多くの人が欲しがっている特定の分譲マンションなどがそれに当たります。

このような、なかなか売物件として登場せず、かつ需要が高い物件は、広告を出しても反応が高いです。

つ目が「お値打ち」であること。それがいくら欲しいものであったとしても、価格が相場以上・予想以上に高ければ反応はありません。

一方で、相場より安い価格が表示されていれば反応が増えます。たとえばブランド品が40%OFFで買えるとしたら、結構な人が飛びついてきます。アウトレットなんかもそうですね。

これには深い人間心理が隠れているのですが、とにもかくにも「お値打ち品」は広告の反響率が半端じゃありません。

昔、3500万円が相場の物件を2800万円で広告を出した時、電話がひっきりなしにかかってきた。そんな経験があります。一方で相場が2,000万円の物件を2,500万円で広告を出した時は1件も電話がかかってきませんでした。

ですから人は常に「お値打ちかどうか」を判断しているのです。

して最後の5つ目が「限定的であるか」です。限定とは数の限定だけでなく時期の限定もあります(これをマーケティング用語でデットラインと言います)。

人間は限定モノが大好きです。「先着10名様限定」「季節限定」「〆切は明日まで」このようなデッドラインが仕掛けられると、人はたちまち行動します。

終電が近づくと慌てて猛ダッシュで電車に駆け込む。これもデッドライン。人間の条件反射です。

ちろん、広告で売るために必要な要素は他にもあります。そして、これだけは言えます。「広告とは心理学」であるということです。人間の心理を深く知り、それを駆使しなければ、反響を取ることも、売れることもないのです。

さて、あなたが売却されようとしている(している)不動産はどうでしょうか?

  • 需要はありそうですか?
  • 新しい情報でしょうか?
  • 掘り出し物でしょうか?
  • お値打ちでしょうか?
  • 限定的でしょうか?

これらの5つの条件のいずれか(というより全部)を満たされなければ、広告で売ることは難しいです。

広告で不動産を売りたいのなら、売れる広告の特徴5つのうち、最低3つ以上(できれば5つすべて)をクリアしてください。

不動産会社が決して口にしたくない不動産広告の真の目的

不動産屋が絶対に口にしたくない不動産広告の不都合な事実
不動産屋が絶対に口にしたくない不動産広告の不都合な事実

動産会社は、あなたの不動産を売るために広告を出していない。こんなこと言うと、大抵、変な目で見られます。

ですが彼らは、アナタの不動産を売る以上に「ある目的があって」広告を出しています。その目的とはズバリ「自社の宣伝」です。

そしてアナタの物件は不動産会社の宣伝のために使われている現実があるのです。

新しい物件を掲載し、そして物件を多く掲載することで「物件を購入するならこの不動産会社に相談しよう」と思ってもらうために、彼らは積極的に広告を出しているのです。

つまり彼らは「お店に来店してくれるお客さん集めが真の目的であって、あなたの不動産を売ることが目的ではない」のです。

それも致し方ありません。なぜなら広告の本来の目的は…?「たくさんの人に見てもらうこと」そして「たくさんの人に知ってもらう」でしたね。

つまり広告を出すことで「たくさんの人に会社の存在を知ってもらうこと」ができるのです。

たくさんの人に会社の存在を知ってもらうことができれば、

  • 「ここの会社は物件情報が豊富だ」
  • 「他社にはない物件も掲載している」
  • 「物件を購入するときは相談してみよう!」

このような流れを作ることができるのです。そのために、あなたの物件が利用されていると言っても過言ではないのです。

アナタの不動産もっと高く売れる
「不動産の売却を依頼したら広告費は負担しなければいけないの?」

「いいえ、売主様の費負担は一切ありません。すべて弊社の費用で広告宣伝をさせていただきますよ。」

もし、自社宣伝の目的でそのような発言をしているのなら、掲載費を逆に請求すべきです。なぜなら、自分の不動産を広告に掲載するならわかりますが、他人様の不動産を利用して自社の宣伝をしているからです。

そこには仕入れ商品も何も要りません。他人の物件を掲載すればいいのです。他人の不動産を利用して自社宣伝をおこない、かつお客さんを集めているわけですから、本来は「自社の宣伝のために、アナタの不動産を掲載させて頂いてありがとうございます!」なのです。

動産広告の反響率は0.001〜0.01%以下と言われています。これは物件や媒体、掲載の時期などにもよりますが、1,000枚〜10,000枚のチラシを撒いて1件の問い合わせがあるかないかの世界です。

そのために、決して安くない広告費を投入する意味があるのでしょうか?

アナタの不動産を売るためだったら・・・間違いなく費用倒れで赤字です(掘り出し物でお買い得物件なら別ですが…)。

しかし自社の宣伝のためだったら・・・間違いなく安い投資です(あと、しいてあげるなら売主様への「売ってます!」アピールだけです)。

と昔前は「おとり広告」というものが蔓延していました。おとり広告とは、存在しない物件を掲載したり、売れてしまった物件をずっと掲載する「釣り餌」目的の広告です。

つまり「お客さんが飛びつきそうな物件を掲載し、お客さに来店してもらうことを目的とする。」これがおとり広告の役割りでした。そう考えれば、広告がいかに「不動産を売ることが目的ではない」かがわかるでしょう。

おとり広告は今は厳しく規制されているので、かなり減りました。ですがお客さんを集めるための「客寄せパンダ向けの物件」は必要です。そのために、あなたの物件が客寄せパンダにさせられる可能性があるのです。たとえば「値下げ」とかですね。

先ほど「売れる広告5つの共通点」でもご紹介しましたね。値下げをすることで5つの条件のいずれかを満たすことができるわけです。

たとえば、こんな広告を打ち出したらどうでしょうか?

価格変更!2800万円→2500万円!売主様のご好意で300万円の値段交渉に応じてくれました!不動産はこの世に二つとない一点ものです。物件内覧は今すぐ!

相手から注目してくれる確率は上がるでしょう(「新しい情報」「お値打ち」「限定」を使用)。

家電量販店やスーパーのチラシを見てみてください。チラシの先頭には必ず「お値打ち品」が掲載されています。お値打ち品を客寄せパンダにしているのです。

家電量販店やスーパーならまだマシです。なぜなら自社で仕入れた商品を赤字覚悟で掲載しているからです。

しかし不動産会社は自社の物件でない限り、それができません。多くは他人様の不動産を扱っています。ですから他人の物件を使って巧みに「お値打ち品」を作り上げるのです。

たとえば、あなたの物件を客寄せパンダにさせる例は、以下の通りです。

  1. ▼「今の価格では売れないと認識させる」
  2. ▼「価格変更(値下げ)を提案してくる」
  3. ▼「お値打ち価格になった時点で客寄せ物件にする」

このくだりは「アナタの物件が客寄せパンダに」させられる可能性が高いので注意が必要です。

売る気のある広告・売る気のない広告の見分け方

売れる不動産広告と売れない不動産広告の違い

は、不動産の広告はすべて、不動産会社の自社宣伝が目的なのか?と言われることが多々あります。

その答えは「はい、9割は間違いなくそう」です。でも残りの1割は違います。「本当にアナタの不動産を売るため」に存在している広告も実は存在しているのです。その広告とは・・・・

「アナタの不動産だけを売っている」広告です。たとえば「単チラ」と呼ばれるものがそれに当たります。

単チラとは単独チラシの意味で、1つの商品を売るために作られたチラシです。

あなたの物件を単独チラシでアピールします|伏見区・宇治市・山科区の不動産売却

不動産で言えば、1つの物件を売るためだけに作られたチラシです。

不動産のチラシで言えば、A4サイズとかB5サイズの紙面をいっぱい使って、その物件の魅力をアピールしています。

このような単チラは主にポスティングされていることがほとんどです。

片や、売る気のない広告は集合広告です。集合広告とは1枚の紙面にさまざまな物件が掲載されている広告を指します。

これはアナタの不動産を売ることがが目的ではなく、その不動産会社を通じて何かしらの物件を購入してもらうことが目的の広告。つまり自社宣伝が目的の広告です。

自社宣伝が目的の不動産チラシの例|不動産広告の不都合な真実

これはアナタの不動産を売ることがが目的ではありません。

その不動産会社を通じて何かしらの物件を購入してもらうことが目的の広告です。

つまり自社の宣伝が目的の広告で、アナタの不動産が売れようが売れまいが関係ありません。

「ここの不動産屋は物件情報が豊富だな」そう感じさせるための広告なのです。そのためにアナタの不動産が「餌」になっているのです。

それで広告を出しても反応がないから「価格を下げましょう」なんて、もし担当営業マンが言ってきたら「バカにしているのか!」と怒鳴りましょう。

1枚の紙面に小さく物件情報が載せられている広告と、1枚の紙面に1つの物件のアピールポイントが大々的に紹介されている広告。どちらが売れそうでしょうか?冷静に考えてみればわかることです。

「売る気のある不動産チラシ」と「自社宣伝・客寄せ目的のチラシ」の比較

あなたの物件を単独チラシでアピールします|伏見区・宇治市・山科区の不動産売却
売る気のあるチラシの例
自社宣伝が目的の不動産チラシの例|不動産広告の不都合な真実
自社宣伝が目的の不動産チラシ

他にもネットで言えばランディングページ(通称:LP)です。LPはホームページ(通称:HP)の一種ですが、LPの特徴は1つの商品を売ることに集中していることです。

最近はネットで表示される広告をタップしたら、LPへ誘導されるケースが圧倒的ですが、身近で言えば健康食品や保険商品なんかはよくLPが使われています。

特にネットはあらゆる情報が入ってきますので、集中力が途切れ、注意が散漫になります。ですから他に注意が行かないように1つのことだけに集中してもらう。その目的でLPが生まれました。

一方でAmazon楽天のように、1つのページでさまざまな商品が紹介されているホームページもあります。このようなホームページは、Amazonで何かしらの商品を購入してもらうことを目的としています。楽天で何かしらの商品を購入してもらうことを目的としています。

どんな商品が売れようが、どんな商品が売れまいが関係ありません。そこで何かしらの商品を購入してもらうことが目的なのです。

これは不動産でも同じことです。「他にもこんな物件があります」と掲載されているホームページは、アナタの不動産を売ることが目的ではなく、その不動産会社やポータルサイトを通じて、何かしらの物件を購入してもらうことが目的なのです。

「売る気のある不動産LP」と「自社宣伝・客寄せ目的のHP」の典型例

アナタの不動産を売ることだけの集中します|宇治市・伏見区・山科区の不動産売却
1つの不動産を売ることだけの特化したホームページ
自社宣伝が目的のホームページ例
自社宣伝目的の不動産ホームページ

ですから、その不動産会社の広告を見てみれば、どのような目的で広告を出しているのかがわかります

そして、単チラであれば、どれだけその物件の魅力をアピールしようとしているのか?を見てみることも必要です。単チラであっても、ただ単に間取りと物件情報、価格が載せられているチラシもあるからです。

裏面を見れば「売却物件募集」と掲載されている広告なんて論外です。なぜなら1つの不動産を売る気なら、片面1枚だけで到底アピールすることはできないからです。その売却物件を本気でアピールするなら両面1枚でも足りないほどです。

このような単チラを作る不動産会社は、自社宣伝目的の可能性が高いか、広告に関してシロウトと言わざるを得ません。

実は売る気のない単チラの例

あなたの物件を単独チラシでアピールします|伏見区・宇治市・山科区の不動産売却
表面
売却物件募集チラシ|伏見区・宇治市・山科区の不動産売却
裏面

片面1枚でしかアピールしていないチラシと、紙1枚、両面を使って最大限アピールしているチラシ、どちらが手に取った人が見て、魅力的に感じるでしょうか?どちらが「売ること」に対して、本気度が高いと思いますか?

エフティマ不動産が制作しているチラシの例

不動産を高く売却できるチラシ|宇治市・伏見区・山科区の不動産売却
いかに価値を伝えるかにフォーカスさせている
アナタの不動産もっと高く売れる

不動産を広告で売るなら、真っ先にやるべきこと

不動産広告で売る必須要件

れでも尚、広告を使って不動産を売却していきたいのなら、まずは広告で常に「注目を得ること」が必要です。なぜなら数多ある広告の中から、その存在に気づいてもらう必要があるからです。

先ほど挙げた「売れる広告5つの条件」は必須ですが、その前に「広告を見てもらうための仕掛け」が必要なのです。

広告のメッカであるアメリカ。100年以上前にコピーライターとして広告の基礎を築いた1人であるジョンEパワーズは、こんな言葉を残しています。

広告は刺激的でなければいけない

ネット環境もない100年以上前に活躍されていたコピーライターが既にこのような発言をしているわけですから、今の広告がどれだけ難しいかがわかります。

刺激のない広告は空気と同じ。誰からも気づいてくれません。そして人は常に広告に刺激を求めています。ですから実に多くの広告が、刺激を作り上げるために、デザインや配色、メッセージに時間をかけて注力しているのです。

広告を手に取ってみてもらうためには刺激が必要。もはや”どこの誰の広告かさえわからない”テレビのCMは「刺激」のみですが、それだけ「注目を得る」ことが広告には必須なのです。なぜなら、見られない広告は「出していないのと同じ」だからです。

ですから広告を出すなら、真っ先に「注目を得る」ことにフォーカスしなければなりません。相手から注目を引くために、何をしますか?その不動産会社は何をしてくれるでしょうか?

広告を使わず不動産を高く売る方法

広告以外で不動産を高く売る方法

度も伝えています。不動産広告は売却物件を「見てもらうこと」「知ってもらうこと」に関しては優秀ですが、「売却」に関しては効率が良くありません。

不動産広告で「売る」ということにフォーカスしてはいけないのです。なぜなら不動産広告で売ろうと思えば

  1. 需要があって
  2. 目新しくて
  3. 掘り出し物で
  4. お値打ち品で
  5. 限定的

である必要があるからです。

アナタの不動産がこの条件にすべて当てはまっているならジャンジャン広告を出してください。一方でいずれも当てはまらないのなら…違う売り方を考えるべきです。

そして不動産広告には大きく分けて2つのデメリットがあります。

1つ目の理由が「価値を伝えきることができない」点が挙げられます。なぜでしょうか?

1つは広告の枠だけでは物件の魅力が伝えきれないこと。もう1つは表現方法の規制です。

広告の枠には制限があります。自社が制作したLPなら別ですが、大抵は広告には掲載枠があります。その中で、たとえば物件をよく売る敏腕営業マンのセールストークをすべて広告に収めることはできません。枠が小さければ小さいほど、伝えるべき情報が制限されます。

そして不動産広告は、絶対に記載しなければいけない情報(価格や間取り、土地の面積などの物件概要)や、表現方法の規制も厳しいのです。

ですから枠が制限されればされるほど、伝えるべきアピールポイントは減り、説明書のような細かい概要しか載せられなくなるのです。これが不動産広告のデメリットの1つ目の理由です。

う1つの理由は「優良客が集まりにくい」ということです。優良客とは何か?その前に優良客ではない客は誰か?ということに言及します。

優良客ではない客とはズバリ「冷やかし客」です。冷やかし客とは「買う気のない客」だけではありません。「買いたくても買えない客」も含みます。そして後者が一番タチが悪いのです。

なぜなら「買う気のない客」は「買う気がありませんよ〜」で済みます。しかし「買いたくても買えない客」の場合、購入の申し込みが入っても「お金がありません」、契約をしても「ローンの審査が通りません」という結果が待ち受けているのです。

時間をかけて交渉し、契約し「売れてひと安心だな」と安堵した頃に「契約白紙」という悪い知らせがやってくるのです。売主側からすれば「とんだ肩透かし」です。

このようなケースが広告からやってくる客には実に多いのです。なぜなら広告からやってくるお客さんの多くは、資金計画ができておらず、また「不動産を買うためには資金計画が必要」なことも知らないからです。

たとえば他に借り入れがある場合(自動車のローンやリースをしているなど)、住宅ローンが借りれなかったり、減額になることがあります。

クレジットカードの支払い滞納をする(口座の引き落としができなかった)だけで、審査落ちすることも多々あります。

消費者金融からお金を摘んでいる人はほぼアウトですし、自営業・個人事業主も審査が俄然、厳しくなります。なんとか頑張ったら審査が通る人なら別ですが、まったく審査が通らない「購買能力のない客」こそ真の「冷やかし客」なのです。

一方で、優良客とはどのような客でしょうか?優良客とは「今すぐ買える客」です。資金計画ができていて、住宅ローンの審査も通過するような準備ができていて、希望に見合った物件が出てくればすぐに購入できる。そんなお客さんです。

そのような優良顧客は広告からほとんどやってきません。ではどこからやってくるのでしょうか?

れは「不動産会社からの紹介」です。

不動産会社は、自社の宣伝広告などから集めた「物件を買いたいお客さん」を囲います。物件を紹介しながら資金計画を立て、今すぐ買えるようにじっくり育てます。

逆に購入能力の無い客(買いたくても買えない客)は、ほぼ相手にしません。お客さん本人の努力で購入能力が上がる場合は別ですが、何をしても買えないお客さんを相手にしているほど無駄なことはないからです。

特に大手の不動産会社なんかはハッキリしています。「勤務先は?」「勤続年数は?」「年収は?」「他に借り入れは?」これらを聞かずして物件は紹介しないという営業マンも多く存在しています。

このように「今すぐ客」となるお客さんは優良客で、不動産会社が囲っていることが多いのです。

一方で、不動産会社からコッソリと見捨てられた客、不動産会社に一度も相談していない客、つまり購入能力がない、または不明なお客さんほど、広告からやってくるケースが多いのです。

ということは広告を出すよりも、さまざまな不動産会社から顧客を紹介してもらったほうが、確実に売却できる可能性が高いのです。

ではやっぱり、集客力のある不動産会社、顧客を多く抱えている不動産会社に売却を依頼したほうがいいんですね。」と思うかもしれません。ですがこれはベストな選択肢ではありません。

なぜなら、優良客はさまざまな不動産会社が囲っているからです。そしてアナタの不動産を購入してくれそうな優良客は、あなたの依頼しようとしている不動産会社に存在しているかは不明です。

じゃあ、いろんな不動産会社に売却を依頼した方がいいのかな。」と思うでしょう。ですがこれも間違いです。

なぜなら、いろんな不動産会社に売却を依頼すれば、不動産会社・営業マンのモチベーションが下がるからです。アナタのパートナーが二股も三股もかけられた嫌でしょう?不動産会社もそれと同じです。

何股もかけられ、天秤にかけてくる客は、ぶっちゃけ相手にしたくないのです。ではどうすればいいのでしょうかか?

えはシンプルです。

  1. 売却を依頼する不動産会社を1社に絞る。
  2. その不動産会社から、他の不動産会社に「顧客を紹介してください!」とお願いしてもらう。
  3. 他の不動産会社が連れてきた顧客と商談・交渉・取引をおこなう。

たったこれだけです。そうすれば、不動産会社を何股もかけることなく、さまざまな不動産会社に売却を依頼している効果が得られるのです。ですから、他の不動産会社にも積極的にアプローチしてくれる不動産会社に売却を依頼すべきです。

とは言え、そんなことをしてくれる不動産会社は多くありません。そんなことしたら仲介手数料が半分持って行かれるようなものだからです。

そして「自分で売却依頼を受けた物件は自分で買い手を付ける」という変なプライドがこの業界にはあります

特に大手の不動産会社はそれが顕著で、「自分で買い手を付けることができなかった」「他の不動産会社から買い手を紹介してもらうことになった」そんなことになれば上司から怒鳴られ、クビにもなりかねません。

自分のプライドもズタボロになるのです。ですから「囲い込み」なんて言う、愚かな行為をしまくるわけです。

囲い込みとは

囲い込みとは、不動産会社が、売主様から売却依頼を受けた物件を独り占めにし、他の不動産会社から買手を紹介させないよう、あらゆる理由をつけて妨害する行為。

囲い込みをすることで、不動産会社のペースで売却活動をすることができ、かつ仲介手数料が増えるため、多くの不動産会社がおこなっている。しかし売主様は売却先(買手)が制限されるため、売却チャンスだけでなく好条件で売却できるチャンスも失う。

大手不動産会社は囲い込みの温床と言われている。手数料率が6%に近いほど囲い込みがおこなわれている可能性が高い
大手不動産会社は囲い込みの温床と言われている。手数料率が6%に近いほど囲い込みがおこなわれている可能性が高い。

まとめ

不動産広告の不都合な真実まとめ

こまで不動産広告の知られざる真実をお伝えしてきました。つまるところ「売れない物件はいくら広告を出しても売れない」ということ。一方で売れる物件は広告を出しても出さなくても売れます。

広告は使い方次第。それよりも、信頼できる不動産会社を1社に絞り、さまざまな不動産会社に「今すぐ買える」顧客を紹介してもらうよう依頼してもらう。これがベストな方法です。

しかしどちらにせよ、商品力がなければ売ることは難しいでしょう(どのように商品力を上げていくのか?お金をかけずに商品価値を高める方法については、別の機会でお話ししたいと思います)。

あなたが売却される不動産は商品力がありますか?どんな魅力がありますか?

くの不動産会社や営業マンは、少し売れないと感じたら、すぐに価格を下げて商品力を高めようとしています

ですがそれは怠慢と言わざるを得ません。

商品力を高めるには、まず不動産の魅力を最大限見出すことが必要であり、その魅力を最大限伝えることが必要です。

それをやり切ってからはじめて価格にメスを入れる。これがセオリーです。

しかし、その魅力を見出すことも、広告で伝えることもせずに「売れないから価格を下げましょう」という不動産業界の(もはや)常識は、正直誰にでもできるものです。

どのようにすればより良い条件で売却できるか?アナタの不動産に対して正面から向き合い、より良い結果のために共に伴走してくれる不動産会社に依頼してくださいね。

不動産の広告の真実について、少しでも理解をして頂けたなら幸いです。

P.S.

もちろん、売るための広告もあります。その典型がフードデリバリーなどです。フードデリバリーはそもそも価格帯が低いので、注文する敷居も低くなります。

価格への抵抗が低いものは広告でも売れますが、価格への抵抗が高いものは、そもそも広告で売ることは難しいのです。

  • 公認不動産コンサルティングマスターによる売却サポートが受けられます。
※ご依頼者様のサポートに専念する都合上、サポート数を限定しております。予めご了承ください。
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