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コレを観る前に家は買うな!

このページでは、これから家(住宅・マンション)を購入される方、家を建てられる方に、絶対に観ておいてほしい「地震災害から身を守る」ための内容です。

地震大国の日本。1995年の阪神淡路大震災、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震、2024年の能登川地震…大きな地震が定期的に起きています。

もし、住宅を購入されるのなら、これらの大きな地震に耐え抜く構造であることが重要です。

現代の「地震から身を守るための」建築工法においては「耐震・制振・免震」の3つの構造があります。それぞれの役割り、特徴、メリットやデメリットなどを解説していますので、是非とも勉強されてください。

目次

耐震・制震・免震構造の比較

まずは、耐震構造・制振構造・免震構造の比較をご覧下さい。

これを観ると、免震構造が良いんじゃないか!と思われる方も多いです。しかし、必ずしもそうではありません。

その理由は、耐震構造・制振構造・免震構造を理解されたうえで、最後の「耐震の時代は終わったのか?」をご覧いただくと、理解がより深まるでしょう。

耐震構造

木造在来工法

旧耐震建物

建築基準法が大幅に改正された1981年以前に建てられた建売住宅の実験で「耐震補強なし」と「耐震補強あり」の比較動画です。揺れの度合いは確認できていませんが、おそらく震度6〜7程度かと思われます。

耐震等級(1〜3)による比較

2000年に建築基準法が改正され、耐震等級(1~3)が設定されました(いわゆる2000年基準)。

建築基準法改正の時系列
  • 1981年以前:震度5強程度の地震に対して倒壊しない(耐震についてはあまり重要視されてこなかった)
  • 1981年以降:建築基準法の大改正「震度6〜7でも倒壊しない建物」
  • 2000年以降:連結金物の基準を強化/耐震等級1〜3を設定
  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認申請が行われた建物が「旧耐震基準」
  • それ以降が「新耐震基準」
  • 2000年(平成12年)6月1日以降に建築確認申請が行われた建物が「2000年基準」となり、耐震等級1以上となる。
耐震等級等級の概要
等級1建築基準法の建物の強さ。数百年に1度程度発生する地震力に対して倒壊・崩壊しない程度
等級2建築基準法の1.25倍の建物の強さ。数百年に1度程度発生する地震力の1.25倍の力に対して倒壊・崩壊しない程度
等級3建築基準法の1.5倍の建物の強さ。数百年に1度程度発生する地震力の1.50倍の力に対して倒壊・崩壊しない程度
  • 耐震等級1レベル:片筋交(従来)の設置
  • 耐震等級2レベル:たすきがけ筋交の設置&梁を太くしている
  • 耐震等級3レベル:耐震パネルを設置している

以下の動画は、耐震等級別による揺れや損傷の比較です。

耐震パネルのメリット

一般的に使用されている木造軸組構法の場合、地震のエネルギーは筋交などで「点」に集中されます。すると筋交が折れてしまったり、柱が抜けてしまうケースがあります。一方、耐震パネルは、地震のエネルギーを面で分散させることができる工法です。

同じエネルギーで、針で突かれるのと、平手打ちされるのとでは、どちらが痛いでしょうか?針ですよね?それはエネルギーが一点に集中しているからです。一方で平手打ちならエネルギーが面に分散されているので、痛みも減ります。これが耐震パネルの仕組みです。

ツーバイフォー工法も工法は異なりますがパネル工法です。ツーバイフォー工法が地震に強いとされているのは、面で地震のエネルギーを受けるからです。

木造3階建は耐震性が高くても倒壊の可能性

長期優良住宅でも倒壊しているケースです。耐震等級は2以上、3以下の建物(奥側)だと設定しているようです。地震の想定は「震度6強」で実験。

手前の試験体は、全く同じプラン(間取り)で、金物関係がそれより劣るプランだと解説されています。

奥側で倒壊したのは皮肉にも金物関係を強くしたからで、手前の試験体はロッキング現象によって倒壊を免れた結果になっています。

ロッキング現象とは、建物が基礎から外れ浮き上がってしまう現象です。浮き上がったことで基礎に伝わる地震のエネルギーを免れ、結果的に倒壊から免れています。パネル工法や柱や梁を太くした「剛構造」の建物に多く見られる現象です。「剛構造」のために、基礎と連結している力が破断されるわけです。

但し、基礎幅は15cm程度なので、土台を含む建物が基礎から落ちて(ズレ落ちて)、結果的に建物が傾き倒れるケースが、大きな地震時には発生しています。

伝統工法

伝統工法は、耐震金物や、基礎と土台が緊結されていない、いわゆる昔ながらの工法です。

伝統工法が地震に有利か否は、さまざまな議論があり、結論は出せません。

ツーバイフォー工法

RC(鉄筋コンクリート)造

分譲マンションなどに多いRC(鉄筋コンクリート)造です。倒壊していないものの、無数のクラック(ひび割れ)が確認されています。クラックが起きると強度が落ち、構造上に問題が発生します。

地震が発生した後は、状態のチェックや補修が必ず必要になってきます。特に中古マンションを購入される場合は、どのような状態になったのか?や、補修された記録があるか、確認が必要です。

中には修繕積立金不足で放置されているマンションもあります。表面上はタイル張りでわからないケースもありますので、購入前は、かならず議事録や修繕履歴をチェックするようにしましょう。

鉄骨造

タイトルの通り「超高層ビル、南海トラフ地震の3.8倍で倒壊」となっています。解説は動画下より。

大きな振幅でゆったりと揺れる「長周期地震動」に超高層ビルはどこまで耐えられるか。実際に壊れるまで揺らして確かめる初の実験が2013年12月11日、防災科学技術研究所の施設「Eディフェンス」(兵庫県三木市)で行われた。高さ約25メートルの試験体は、東海、東南海、南海の3連動地震で想定される長周期地震動の3.8倍の強さで揺らすまで倒れなかった。

試験体は高さ約80メートルのビルを模した18層の鉄骨造り。3連動地震の想定の3.1倍の地震動を加えると、低層階がゆがみ、全体が傾く倒壊状態になった。その後、震動台の能力上限の3.8倍を3回加えたところで、低層階の柱が潰れて上層階が大きく傾き、脇に設置された防護フレームに倒れかかった。

長周期地震動は、高層建築が揺れやすい周期1秒以上の揺れが長く続く。東日本大震災で東京や大阪の超高層ビルが大きく揺れ、関心が高まっている。実験を計画した大手ゼネコン鹿島の高橋元美・上席研究員は「実際の高層建築がどこまで耐えられるかを実証した貴重なデータだ。耐震性の評価法を作ることができる」と話した。

引用:朝日新聞デジタル

鉄骨造における居宅は比較的少ないですが、購入検討物件が該当する場合には、変形や傾きがないかなどの診断を依頼すべきでしょう。

制振構造

制振構造とは?メリットとデメリット

制振ダンパーはそもそも

  • 耐震構造でこそ効果が発揮できる
  • ダンパーの取り付ける位置が大事

これらが重要だと感じます。

免震構造

免震構造の仕組み

免震構造のメリット・デメリット

メリット
  • 揺れが少なく家財の倒壊も少ない(特に高層階はメリットを傍受できる)
  • 何度も来る大きな地震に対応できる
  • 建物のダメージが少ないので比較的軽い補修で済む
デメリット
  • コストが高い
  • 木造住宅には向いていないとされる説が多い
  • 横揺れには強いが、縦揺れには弱いと言われている(鉄骨造やSRC造などの高層階向きと言われている)
  • 施工や品質によってバラツキがでる(免震ゴム不正データ改ざんがニュースになった)

耐震の時代は終わったのか?

間違った制振・免震構造の先入観

まとめ

あなたと家族の命を守る住宅の選び方

「耐震構造・制振構造・免震構造」いずれの構造を選ぶにしろ、以下の要点が重要です。

  • 大きな地震で倒壊せずに命が守れること
  • できれば大きな地震が何度来ても耐えられる建物であること
  • 制振・免震構造は、耐震性能がしっかりしていることが前提であること
  • いくら耐震・制振・免震設計されても品質や施工レベルが第一であること
  • いくら耐震・制振・免震設計されても地盤に問題があれば安全性を発揮できないこと

一生に何度も経験することのない不動産の購入です。業者の知名度や、価格、デザインや設備の豪華さ、立地の良さだけに捉われ、安易に決断することのないように願います。命の危険に晒されては意味がないですから。

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